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2016 - 08 - 29

「愛する母親を殺めた」息子の話

2006年の「温情判決」と呼ばれるこの裁判をご存知でしょうか? 裁判官は被告に対し、殺人(承諾殺人)で異例の「執行猶予つき」の判決を言い渡しました。「家族介護」。今後ますます耳にする言葉になると思います。だからこそ、知っておいてもらいたいこの裁判なのです。

みなさんは2006年の

「温情判決」と呼ばれる

この裁判をご存知でしょうか?

 

裁判官は被告に対し、

殺人(承諾殺人)で異例の

執行猶予つきの判決を言い渡しました。

 

 


◆「温情判決」

 

この判決に対して

賛否両論あるようですが、

まずはこの動画を見てほしいと思います。

 

 

 

 

裁判官は

「裁かれているのは日本の介護制度や行政だ」

と、被告に同情したそうです。

 

彼も法廷で

「母の分まで生きたい」

と約束したと言います。

 

 

 


◆被告のその後…

 

それから約8年。

裁判の後、

家賃約2万2000円のアパートで

1人暮らしを始め、

木材会社で働いていたそうです。

 

 

 

(以下抜粋『毎日新聞』)

 

部屋には母親と

事件前に病死した父親の位牌(いはい)を

安置する仏壇を置いたが、

事件のことを口にすることはなかった。

 

 

勤務先の同僚は

「真面目に黙々と仕事をこなした」

近所の男性は

「誰かが訪れるのを見たことがない。孤独だったのでは」

と話す。

 

 

2013年2月、

「会社をクビになった」と

親族に伝えたのを最後に、

連絡が取れなくなった。

 

 

親族が警察に行方不明者届を出したが、

2014年8月1日に遺体で見つかった。

その日の朝、長男とみられる男性が

琵琶湖大橋から湖に飛び降りるのを

目撃した人がいたという。

 

 

 


 

 

この裁判から約10年。

今の介護制度がどのくらい整っているか…

現在は介護をする身内がいないのと、

そのような仕事に携わっていないため

私にはわかりません。

 

 

 

ただ…

愛する親を殺めるために…

その「手」があるわけではない。

 

 

その思いを受け止められる場所が…

最低限の生活をしていける場所が…

残念なことに

彼の手の届く範囲には

なかったのかもしれません。

 

 

 

真面目で

正直者が…

きちんと生活していける社会は…

 

 

 

「今」でしょうか??

 

 

「今」であることを願うばかりです。

 

 

 

 

いろいろ考えされられた動画でしたので

ご紹介しました。

 

お二人のご冥福を

心よりお祈り申し上げます。